境界線の引き方

白と黄色と黒
さて、なんの色?

人種 人の肌の色。


先月、南半球の島にいたときに
現地の原住民からの言葉が
実におもしろかった。

「原住民からすると日本人も白人」


え、私、白人なの?え、白い!?嬉しい!
え、黄色いけど…ファンデによる勘違い?
と、場違いな考えが頭をよぎる。


ちがう、ちがう、そうじゃない。
決してファンデーションが白すぎるとか
そういう話ではない。



自分たち(原住民)以外は
すべて白人 ということ。


この発言をした人は
この世界には、自分たちの民族と
それ以外の人 という
1つの境界線があるのだろう。


その原住民の人たちは、昔、白人(フランス人)に
自分の住処を侵食され、領地を乗っ取られて
山の奥へと追いやられてきたという歴史がある。


現代では上手くやっているように見える。
しかし、いろんなルールもひかれ
奥深いところでは、白人につもりに積もった
不満があるそうだ。



そして、その不満は少し前に爆発した。
もちろんその爆発にもいろんな背景がある。
一国の中の争いではなくて、
もっと世界を巻き込んだ大きな流れが。
(日本人は背景どころか表面も知らないだろう。)


背景はごちゃっとある。
でも、シンプルに、抑圧されていたことへの
爆発であることには変わりはない。
結果、原住民vsそれ以外という構図が
自然と出来上がる。




急にこんな話をし出して
ミサヲは何が言いたいのだ!?
と、思うかもしれない。


別に、世界情勢や宗教観や政治を
語るつもりはないし
語れるほどの知識もない。


ただ、もっと身近な
あなたの身の回りの話をしたいのだ。

あなたのカラダの中のバランス。
あなたの周りの人との人間関係。

こういうものを
上手に運営していくために大切なこと。


それは、
境界線の引き方だ。



世界でいろんな争いがある。
国境、宗教、いろんな境界線があるから。


境界線なんてものは曖昧だ。
常に変わる。



今、国同士が揉めたり
国の中で内戦したりしている。
日本だって他人事ではない。
むしろ日本の方が、、、置いておこう。

どの揉め事においても
そこには、色の濃い境界線がある。


でも、宇宙から何かが攻めてきたら?


地球の人たちは一致団結するだろう。
境界線は宇宙と地球にできる。



じゃぁ、あなたの1番身近な境界線は?
自分と他人?


いやいや、もっと身近にあるよ。
そして、その境界線は上手く引かれ
維持されている。



自分の身体だ。
私たちは、細胞が何個も集まってできている。
あるいは細菌がたくさん存在するして
成り立っている。


細菌と細菌は常に縄張り争いをしている。
境界線が常に変わる。


調子が良ければ善玉菌が優勢で
調子が下がると悪玉菌が優勢に。


でもそこにカビのような
より強力な敵がきたら?


細菌たちは一致団結して
カビに立ち向かう。


境界線は、カビと細菌の間になる。



境界線があるから揉める。
けど、別の種がいる
別の言語がある
別の考え方がある

だから、境界線は必ず生まれる。


境界線がなくなることは
きっと、ない。



けど、どんな境界線を引くか?は
自分たちで選ぶことができる。


境界線をどんな塩梅で引くか?
によって、生きやすさは変わる。



境界線が自分たちから近いほど争う。
遠くにあれば、気にならない。

境界線の色が濃いほど反発する。
ボヤッと薄ければ対立しない。


みんなが望む欲しい何かが潤沢にあれば
その境界線の色は濃くはならない。
争いは生まれない。

たた難点はひとつ。
その、望む欲しい何かという
パラメータが特定しにくいこと。


微生物の世界は簡単だ。
その欲しい何かはエサだ。


だから適度に糖は必要であり
食物繊維も大切だ。
シンプルでいい。


ヒトは難しい。
もちろん、食糧は必要。
だから、きっと土地が欲しくて
過去の人たちは、新しい大陸を求めて旅にでた。


でも今は、それだけじゃない。
だから、難しい。


何が欲しくて何を望んで争っているのか。
何が満たされれば、境界線の色は
薄くなるのだろう。


先月のハニーハントの際に
争いの話をきいた。

だから、ずっと
ぼんやりとそんなことを考えていた。



旅の後半。

その何?を垣間見た気がした。
北の大地の養蜂家さんのところで。


あぁ、ここは境界線が遠くにあって
色もとても薄い。
目の前に広がる光景をみて、カラダが緩む。
本当に美しかった。


数日、一緒に過ごし気づいた。
そこは、境界線が薄くなる
何かが、満ちていた。


今は、まだ、その何か?
を上手く言語化できない。
だから、その光景だけ
目に焼き付けておこうと思った。


そんな場所で生まれる
ハチミツもまた、境界線がない
すべてが調和した味がした。


何百という植物が
調和されたハチミツ。


ここのハチミツを
みんなに届けたいと思った。


ハチミツ自体が、食べていると
境界線はゆるむものだと思う。


エネルギーがあるということは
受け入れられるキャパがあるから。
境界線が薄くなる一つのパラメーターだ。



大きな世界のことを考えたって
難しいかもしれない。


けど、今、目の前の
あなたのカラダの中の菌たちの境界線や
あなたも周りの人との境界線は
自分の塩梅で引くことができる。


まずは、そこから。


エネルギーないと、イヤでも
境界線は近く濃くなりがち。



ハニーハント4日目の夜
いろんな民族が集まり、
笑い語り合う声をBGMに

布団がうすっぺらく
ほぼ外のような
バンガローの中で

ひとすくいのハチミツが
いつか、世界を救うんじゃないかな?

なんて、そんな哲学チックなことに
想いをふけていた。


不思議な
実におもしろい体験だった。


Bee happy !